どのくらいの長さになるのかな?全然見当つきません。
今回は通しのタイトル「境界線を越えて」で、ちょっと長めに書きたいと思ってます。
なかなかこのタイトルが決まらなくて、無理やりつけてまたお話作っていこうかと思ったけど、どれ持ってきてもこじ付けみたいでしっくり来なくって、ようやく思い付いたのが「境界線」って言葉で、それだけじゃ足りなくて、それをどう扱うかどうしたいか考えて、「越えて」行きたいという思いを託して「境界線を越えて」にしました。
「行きたい」まで付けるとタイトルとしてくどくなっちゃうので「~越えて」で寸止め?体止め?しちゃいました。
<境界線を越えて 01>
-プレ・境界線- 1
「なんや遅かったな、ヒカル」
「ごめん、なんやちょっと出る前にややこしい電話あって」
「仕事?」
「電話?実家(いえ)からやってん」
「そっか」
「うん」
「実家からって、おかんからやろ?」
「あっ、うん…」
「おかんいうたら何であないに電話長いんやろな、俺んトコもちょくちょくかけてきよるけど、あの長話はホンマかなんで」
「うん、そうやな」
「ホンマ、この間なんかな、急に何の電話か思たらテレビに出てる誰それ知っとるか?って、俺の名前もロクロク確かめんと話出すんやで、そいでちょっと前までは韓流スターに嵌ってた思てたら今度は水島なんちゃらちゅうイケメン俳優が好きやねんて。そんなん延々機関銃のようにダーってしゃべりよるんやからな、おかんちゅう生き物はホンマまいるで」
「…。」
「なんやヒカル、ぽかんとした顔して」
「翔、翔も充分機関銃に負けんくらいうるさい」
「そうか?前からこんなもんちゃうの?」
「前もやけど、今はもっとや。しかも前より言葉悪なってへん?」
「んー、あんま気にせんで素に戻っとうからちゃうか。こんなもんやで」
「ふーん」
「まあええわ。ヒカル、そんなとこにいつまでも立っとらへんで奥入り」
「…。うん」
「はよ、はよ」
「わかったって」
-しょうがないなー、と小さくつぶやいたのはヒカル。少し翳りのある顔をしていたが翔に会って翔のおしゃべりを聞いたせいか、もう翳りはどこかに行ってしまい、今は笑った顔をしている。